TOTOネオレスト便器の超絶・フチなし形状
先日TOTO便器のフチなし形状についての記事を書きました。その後最上位機種のネオレストのフチなし形状について分かったことがありますので追記します。
ネオレストとタンク式便器ピュアレストのフチなし形状の違いを説明します。ピュアレストのフチなし形状は真ん中の「返し」の有る形状ですが、ネオレストの新フチなし形状ではほぼ「返し」がなくなっています。
初期のトルネード洗浄では吐水口からの洗浄水がカーブのきつい便器の先端を回るために「返し」をつけて水の飛び出しを防ぐ必要があったのだそうです。
ところが新トルネード洗浄では吐水口を逆向きに変更し、カーブのゆるやかな便器の奥を回るようになったため、「返し」を設ける必要がなくなりました。
と、言葉で説明するのは簡単なのですが、洗浄水の勢いを落とさないためには導水路をUターンさせて短くせざるをえず、その形状を陶器で再現するのには高度な解析と生産技術が不可欠となります。
写真の「Uターン導水路」の断面からだけでもその困難さが想像できます。
ネオレストの洗浄水量は大3.8Lとタンク式と比べて1.0Lも少ない超節水便器です。「フチがなくなった代わりに節水性能は退化しました」というわけにはいかないので、綿密なシミュレーションを繰り返し、現在の形になったそうです。
ちなみに大3.8Lが実現できたのはウォシュレットからの除菌水散布による「便器きれい機能」で便器が汚れにくくなった事も貢献しているそうです。
前回の記事で「近い将来新しい形状に変わるか?」と書きましたが、とんでもない勘違いで、タンクレストイレではすでに解決済でした。
しかし、タンク式ではこのような凝った洗浄方法は難しいでしょう。発想を変えた全く新しいかたちの洗浄方式を開発中なのかもしれません。