便器の掃除がラクになるフチなし形状について

洋式便器の掃除を画期的にラクにしてくれたのが、TOTOが開発した「フチなし形状」ですが、最新のネオレストのカタログをながめて思ったのが「フチの形状がずいぶんとスマートになったな」です。


最初(2002年位)はこんな形状でした。

 

そしてTOTOのタンク付便器の代表・ピュアレストシリーズ最新型のフチなし形状はこんな感じです。

 

フチ自体の形状はあまり変わっていませんが、周辺の形状がゆったりしたものに変化していますね。

数年前の旧型はこんな(下図参照)感じで全体の形状にカドがある感じです。最新型はフチ廻りが水流が流れやすいように全体のカドを取り曲率もゆるやかにする改良がされているのが分かります。

 

洗浄方法も吐水口の数が2つから1つに変わっているのでそちらの影響が大きいかもしれません。それにしても陶器でここまで複雑な形状を作れるのは凄い技術だと思います。

 

そしてLIXILの最新便器も調べてみると・・・

 

フチがほとんどなくなっていますね。それではパナソニックのアラウーノはどうでしょう?

 

結構フチが存在を主張しています。全体の形状も樹脂製の割にはシンプルです。

実際このあたりは各メーカー毎に洗浄の考え方の違いがあるようです。

今や約4L~5Lの節水タイプが標準になったので、少ない水量で勢いを減らさずどうやって便器内部を均等に洗浄するか?

フチの出っ張りが少なければ掃除はラクになるけど水が飛び出ないように勢いを調整しなければならず、最終的にトラップを乗り越えるための勢いを付ける機構を取り付けるか、トラップの形状自体を変形させるか、あるいは便器自体の微妙な形状変化で流し切るか・・・実際にTOTOでもピュアレストとネオレストでは洗浄方式が異なるので上図のとおり結構形状が違っており、とても興味深いです。

 

もうひとつ大事な事が。フチなし形状で便器本体の掃除はラクになりましたが、フチの出っ張りが便座裏側への飛び散りへの防波堤になっていた様で、飛び散り対策対策の為TOTOはモデルチェンジ時に便座の裏を特殊樹脂で加工する様になりました。

根本的な解決方法ではありませんので、近い将来新しい形状に変わるか、又は新機能が加わるのかもしれません。

2019年07月17日